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「売れないから値下げ」で、本当に納得できますか?

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「案内が少ないから値下げ」で、本当に納得できますか?

「売れないから値下げ」で、本当に納得できますか?

2026/09/18

  • 「案内が少ないから値下げ」で、本当に納得できますか?

 

最近、YouTubeや雑誌などを見ていると、不動産市場について暗い話題が増えてきたように感じます。

私は不動産の売却を中心に仕事をしていますので、特に気になるのは「マンション価格が伸び悩んでいる」「価格が下がり始めている」といった売却市場のニュースです。

 

首都圏のマンション価格は、昨年秋から今年初め頃にかけて高い水準にありました。その後は、エリアや物件による差はあるものの、以前のような勢いが弱まり、価格が緩やかに下がっている物件も見られます。

 

 

  • 高い査定額を前提に、買い替えを始めた方もいる

 

昨年秋から今年初め頃に査定を受けた方の中には、比較的高い査定額を提示され、その金額を前提に売却や買い替えを始めた方もいらっしゃいます。

 

これだけ不動産価格も賃料も上がっていると、「賃貸に移るより、次の家も買っておきたい」と考えるのは自然なことです。

たとえば、2LDKから3LDKへ、マンションから少し郊外の戸建てへと、家族構成や暮らしに合わせて住み替える方も多くなっています。

 

最近は、今の自宅が売れる前に次の物件を購入する、いわゆる「買い先行」を認める金融機関もあります。そのため、先に購入し、後から自宅を売却する方も少なくありません。

 

ところが、市場の動きが変わると、当初想定していた価格ではなかなか売れません。しかし、売主としては簡単に値下げしたくない。次の物件はすでに購入しているため、売却をやめることも難しい。

今、そうした板挟みの状態にある方が増えているように思います。

 

 

  • 「反響がないので値下げしましょう」だけでは納得できない

 

価格が伸び悩む局面だからこそ、どうすれば少しでも高く、そして納得して売却できるかを考える必要があります。

しかし、最近、私がお客様から大手不動産会社の販売報告書を見せていただくと、内容があまりにも簡単なことがあります。

「自社ホームページで何件見られました」

「今週は案内がありませんでした」

「反響が少ないので、そろそろ値下げを検討しましょう」

これだけでは、その閲覧数が多いのか少ないのかも分かりません。自分の物件だけが売れていないのか、周囲の物件も同じなのかも分かりません。

売主が本当に知りたいのは、単なる閲覧数ではなく、売却市場の中で自分の物件が今どこにいるのかということではないでしょうか。

 

 

  • 見るべきなのは、近隣の10件から15件の「生きた動き」

 

売却を始める際には、近隣の似た条件の物件を10件から15件ほど選び、継続して比較していくべきだと私は考えています。

確認するのは、次のような動きです。

 

新しく、どのような物件が、いくらで売り出されたのか

競合物件は値下げをしたのか、価格を維持しているのか

どの物件が売れたのか

掲載が終了した物件は、成約したのか、売却を取りやめたのか

自分の物件と比べて、条件や見せ方にどのような違いがあるのか

 

こうした変化を毎週追っていけば、自分の物件だけが取り残されているのか、市場全体が動いていないのかが見えてきます。

それを示さずに「案内がないので値下げしましょう」と言われても、売主が納得できないのは当然です。

 

 

  • 売主が求めているのは、値下げをしないことではない

 

誤解していただきたくないのですが、私は「値下げをしてはいけない」と言いたいわけではありません。

市場の状況によっては、早めに価格を見直した方が、結果的に高く売れることもあります。下落局面では、周囲の物件より一歩早く動くことが有効な場合もあります。

 

ただし、大切なのは、その判断に根拠があることです。

人は、単に不動産という商品を売っているのではありません。長年暮らした住まいであり、大切な資産を手放そうとしています。売却価格には、次の住まいの計画や住宅ローン、家族の将来も関わっています。

 

だからこそ、「反響がないから下げましょう」という淡白な説明では、感情が置き去りになります。

 

お金は、理屈だけでなく感情によって動くものです。特に自宅の売却では、結果と同じくらい、そこに至るまでの説明と納得感が大切です。

 

 

  • 上昇相場より、これからの売却の方が難しい

 

価格が上がっている局面であれば、多少高く売り出しても、しばらく待つうちに相場が追いつき、売れることがあります。

しかし、価格が下がる局面では、待てば待つほど競合物件の価格が下がり、条件が厳しくなることがあります。

 

特に買い先行の方は、「半年から1年以内に今の自宅を売却してください」と金融機関から期限を設けられていることもあります。次の物件の支払いに売却代金を充てなければならず、いつまでも待つことはできません。

 

期限が迫ってから慌てて大幅な値下げをすれば、売却できたとしても、大きな不満が残るかもしれません。

だからこそ、早い段階から市場の変化を正確に把握し、価格を維持するのか、見せ方を変えるのか、価格を見直すのかを、根拠を持って判断する必要があります。

 

 

  • 不動産会社に、こう伝えてみてください

 

現在売却中で、販売報告に納得できていない方は、担当者に次のように依頼してみてください。

 

閲覧数や問い合わせ件数だけではなく、近隣の類似物件について、新規売り出し、値下げ、成約、掲載終了の状況もあわせて報告してください。その動きと比較したうえで、今後の販売方針を提案してほしいです。

 

これは決して無理なお願いではありません。本来、売却を任された不動産会社が継続して確認し、売主と共有すべき情報だと思います。

 

相場が変化しているときほど、価格を下げるかどうかだけに目を向けるのではなく、「なぜ、その判断をするのか」を確認してください。

 

高く売ることはもちろん大切です。しかし、これからの市場では、十分な情報をもとに、自分で納得して判断できる売却であることが、これまで以上に重要になると思います。

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